ボツリヌス外来
ボツリヌス外来とは
ボツリヌス毒素療法(グラクソ・スミスクライン社のボトックス注射)を使用した専門外来です。
A型ボツリヌス菌が産生する毒素を利用し、身体に害のない量で疾患の原因となる筋肉を麻痺させて症状を緩和する注射による治療です。菌そのものを注射するわけではないのでボツリヌス菌に感染する心配はありません。当院で行っている保険適用となる疾患は、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣、痙性斜頸、痙縮、原発性腋窩多汗症等です。
ボツリヌスを緊張した筋肉に注射し、正常に近い状態にする治療法です。初診で問診を行い、適応であることを確認した後、注射計画を立て、薬剤を発注し次回に施注する流れとなります。
自費クリニックでは他社製が用いられることがありますが保険適応となるのはグラクソ・スミスクライン社のみです。
ボツリヌス外来の対象疾患
眼瞼痙攣
まぶたのピクピクが続く病気です。
疲れた時に感じる方も多いかもしれません。それが一日中継続する状態です。
細い針でボトックス注射を眼輪筋周辺に施注することにより3-9ヶ月の症状改善効果が見込まれます。
保険適応となり、費用の目安は初診料、再診料を含め3割負担で1万5千円前後、1割負担で5千円前後です。
(片側)顔面痙攣
顔面の表情筋が発作的、不随意にビクビクする病気です。
悪化すると目を開けていられない状態になり、人前にでることが苦手になることもあります。
当院では特別に細い針で痙攣が出ている顔面筋に施注し、3-9ヶ月間症状改善します。
保険適応となり、費用の目安は初診料、再診料を含め3割負担で2万5千円前後、1割負担で8千円前後です。
痙性斜頚
首の筋肉が自分の意志と全く関係なく動き、意図しない方向を向いてしまうジストニアという病気の一種です。 そのため首や肩の痛みを伴うこともあります。
症状が出現している筋に施注することにより半年前後の症状改善効果が見込まれます。痙性斜頸という疾患が非常に難しく、原因となる筋肉が何種類にも及ぶことがあり経験が必要と言われます。
保険適応となり、費用の目安は初診料、再診料を含め3割負担で1万5千円弱〜、1割負担で5千円弱〜。(施注する筋の部位や症状により施注量が異なるため費用が変動する可能性があります)
脳卒中後の痙縮
脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などの脳卒中発症後、しばらくしてから生じてくる、手足の異常な筋緊張です。
痛みや歩行障害が出現し、日常生活に支障を来します。リハビリが効果的にできない、着替えができない、手が洗えず不潔になる、見た目が悪いなどの症状があります。
身体障害者手帳1級2級をお持ちであれば費用はかかりません。
原発性腋窩多汗症(ワキ多汗症)
日常的に多汗症に悩む人は、思春期から中年世代までの社会的活動が盛んな年代に多いといわれています。対象年齢は15歳以上です
※美容クリニックでは自由診療としてボトックス治療を行っているところもありますが、当院のボトックス治療は保険診療です。
半年以上、多量のワキ汗が続いている方で、以下の項目に2つ以上当てはまる場合、原発性腋窩多汗症と診断され、健康保険での治療の対象となります。
- 両ワキに多くの汗をかく
- ワキの汗が多いため、日常生活に支障が生じている
- 週に1回以上、ワキに多くの汗をかくことがある
- このような症状は25歳より以前にはじまった
- 同じような症状の家族・親戚がいる
- 眠っているときはワキの汗がひどくない
脇の汗がでる部位にボトックスを複数箇所に注射する事により約4−12ヶ月程度症状が改善されます。(個人差があります)
当院ではとても細い注射針を採用し、極力痛みの少ない施注を目指しております。痛みはありますが、耐えられず中断した方は今までいらっしゃいません。
保険適用で、費用の目安は初診料、再診料を含め3割負担で2万5千円前後、1割負担で8千円前後かかります。(東京都では15歳以上、高校生までは医療証を利用して無料となります)